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ghostscript



ghostscriptのpkgsrcは現在メンテナーによって
ESP,AFPL,GNUの3種類が用意されていますが
使い分けについて、私なりの分類を書いておきます。

メンテナーの方針が同様のものであれば、
利点と欠点もなお存在していますが、
日本語環境を含めて受け入れ可能だと理解できます。
なお、以下の理解に不備があるようでしたら意見をお願いします。

【現在の最新バージョン】
ESP Ghostscript7.07
AFPL Ghostscript 8.14 
GPL Ghostscript 8.01

【pkgsrcのバージョン】
espgs-7.07-source
ghostscript-7.07
ghostscript-6.01(with vflib and optional printer drivers)

【各ghostscriptの特徴】
1.ライセンス的な違いとしてまずAFPL版とGPL版が存在し、
  GPL版に多くのプリンタードライバーを組み込んだESP版が存在します。
  (現在のESP版ではLIPSやESC/page等日本のメーカーのプリンタードライバーも
   含まれています。)
2.日本語処理における最も大きな違いは日本語フォントの扱いになりますが、
  GNU版の6.5.3以降ではCJK対応になっているためCID及びTrueTypeフォントを
  patch無しで使用できますが、
  GNU版でも6.5.2以前のものとAFPL版(特に6.0.x)ではVFLIBを組み込まなければ
  日本語フォントを処理できません。
3.現在ghostscriptに用いられているVFLIBのバージョンは2.xであるため、
  フォント幅が固定されており、プロポーショナル等には対応できない上
  日本語環境の開発は既にCJSに移行しているため
  今後のVFLIBのpatchやメンテナンスは期待できそうもありません。
4.ESP版はGPL版をベースとしているためghostscriptの基本機能としては
  EPS版はGPL版に遅れることになり、
  またメンテナンスの継続性を考えた場合は、
  GNUもしくはAFPL版を用いる方が安心感はあります。
5.機能的に最も汎用的な方法は
  最新のバージョンでなお、
  日本語対応とプリンタードライバーを自前で組み込む事ですが、
  pkgsrcでこの方法をとる事は、対応とメンテナンス的に難しいと思われます。

【日本語環境下での使い分け方】
1.選択肢として日本語フォントが使えることが前提となるので
  AFPL版は使えない事になります。
2.プリンタドライバーと優先させた場合はVFLIB版かESP版を用いる事になり、
  特に古いプリンターのドライバーが必要な場合はVFLIB版が優位になります。
3.CJS対応やメンテナンスを優先させる場合はGNU版かESP版になりますが、
  最新機能を優先する場合はGNU版が有利になり、
  プリンターの汎用性でESP版が有利になります。

お薦めとしては
ESP版を入れて日本語フォントの設定を行うことで、
ほとんど問題は生じないと思われます。
ただし、プリンタードライバーやアプリケーション対応等で問題が生じた場合は
VFLIB版かGNU版を選択することも可能です。
#私は自前のpkgsrcでGNU版に使用するプリンタードライバーを組み込んでいる
他、
#プリント関係は独自仕様を優先させているため、
#pkgsrc/print以下の日本語関係のpkgsrcはほとんど使っていませんけど。

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大石 修