他システムとの相互運用性

良い設計と正しい実装は、特徴の一部に過ぎません。 NetBSD は他のシステムとの相互運用性にも優れています。

バイナリーエミュレーション

NetBSD は、バイナリーエミュレーションシステムを提供し、同じ CPU の他の UNIX-like オペレーティングシステム (FreeBSD, HP-UX, Interactive UNIX, Linux, OSF/1, SCO UNIX, SunOS, System V Release 4, Solaris, Ultrix など) のバイナリーを直接実行できます。例えば、NetBSD/m68k の全ての port は、Sun 3 / 3x システム用の SunOS バイナリーを実行できます(が SPARC / UltraSPARC の SunOS バイナリーは実行できません)。また、NetBSD/sparc は SPARC システム用の SunOS / Solaris バイナリーを実行できます。

注意

ダイナミックリンクのバイナリーを実行するには、大抵、エミュレーションで実行するオペレーティングシステムのダイナミックリンカーとライブラリーとが必要です。

さらに、 emulators/wine パッケージや emulators/doscmdパッケージにより Windows や MS-DOS のアプリケーションが実行でき、Linux 版の Executor により Mac OS のアプリケーションが実行できます。

ソース互換性

NetBSD リリースでは今のところ認定はされていませんが、いくつかの確立している標準に準拠するよう試みています:

POSIX - IEEE の The Portable Operating Systems Interface は急速に最小限の OS サービスの標準となり、しばしば計算機システムの要求事項として指定されています。 [この標準規格は web 上では見られません。]
XPG/SUS - Single UNIX Specification (X/Open Portability Guide の一部で、拡張され、現在は独立に保守されている)は、 POSIX で定義されていない多くの基本機能を規定しています。現在 NetBSD は STREAMS インターフェースを実装していません。

また、以下のデファクト標準に従っています:

BSD - NetBSD は Berkeley を強く継承していますので、伝統的な BSD システムとのソース互換性を保つよう努力しています。
Linux - Linux の OSS オーディオシステムを使うプログラムの多くを簡単に移植できるように、簡単に使えるエミュレーターを提供しています。

標準規格への適合性についての情報も参照してください。

ローカルファイルシステム

ネイティブの 64-bit FFS ファイルシステムに加えて、 NetBSD は以下のような他のオペレーティングシステムのファイルシステムを読むことができます:

FFS - ffs (バークレー “高速ファイルシステム”)は、 SunOS, Solaris, Ultrix, Digital UNIX, System V Release 4, および他の BSD または System V をベースとする多くのシステムと互換性があります。
EXT2FS - ext2fs は、現在の Linux のネイティブファイルシステムです。
MSDOSFS - msdosfs は、MS-DOS, Windows 95, Windows 98, Windows NT で使われる古い MS-DOS のファイルシステムです。 Windows 95 で実装された長いファイル名もサポートしています。
CD9660 - cd9660 は、ほとんどの CD-ROM で使われている ISO 9660 ファイルシステムを実装します。デファクト標準の “ロックリッジ” 拡張を使った長いファイル名や UNIX 式のパーミッションをサポートしています。
ADOSFS - adosfs は AmigaDOS ファイルシステムと互換です。

ネットワークプロトコル

NetBSD は、たくさんのネットワークプロトコルをサポートしています。いくつかを挙げましょう:

TCP/IP - NetBSD は世界に通用する TCP/IP の実装(多くの TCP/IP の研究プロジェクトでも使用されている) を実装していて、 TCP/IP を話すどんなシステムとも接続可能であるように設計されています。
SMTP - インターネット上の標準的なメール転送プロトコルです。
NFS - UNIX-like なファイルサーバーで通常使用されるプロトコルです。
Appletalk - カーネルの Appletalk サポートと net/netatalk パッケージとを組み合わせることにより、Mac OS が動いている Macintosh システムとの優秀なファイル・印刷共有サービスを実現します。
SMB (Microsoft networking) - net/sambaパッケージを使用することにより、 NetBSD を使って MS-DOS, Windows 95, Windows 98, Windows NT, Windows 2000 システムにファイル・印刷共有サービスを提供できます。