NetBSD 3.0.2 のアナウンス
NetBSDプロジェクトは、 NetBSDオペレーティングシステムのバージョン 3.0.2 の、 ソースおよびバイナリー両形式での公開を発表できることを喜ばしく思います。 NetBSD は汎用目的のオープンソースオペレーティングシステムであり、 多数の種類のハードウェアプラットフォーム上で、 多岐にわたるアプリケーションを実行するためのインターフェースを提供しており、 これはすべて単一のソースツリーをもとにしています。 NetBSD 3.0.2 は NetBSD 3.0 に対して、 選りすぐられた重大なバグ修正やセキュリティーに対するアップデートがおこなわれています。
NetBSD 3.0.2 は、 NetBSD 3.0 リリース枝の、 セキュリティーおよび重大な問題に対応した 2 回目のアップデートです。 セキュリティーまたは安定性に関するもので実際に重大な問題であると 判断されたものに限られた修正がおこなわれています。
セキュリティーおよび重大な問題に対するアップデート (NetBSD 3.0.1, 3.0.2 など) での修正はすべて累積されてゆき、NetBSD 3.0 リリース以降のすべての修正が 今回の最新のアップデートに含まれるようになっています。これらの修正は、 それ以外の重大度の低い修正や機能拡張とともに、 3.1 リリースおよび将来のリリース (NetBSD 3.2, 4.0 など) にも適用されます。
NetBSD 3.0.2 の完全なソースコードおよびバイナリーは、世界中の多くのサイトから ダウンロード可能です。FTP、AnonCVS、SUPやその他のサービスによる ダウンロードサイトの一覧が、このアナウンスの最後にあります。 また、最新のダウンロードサイトの一覧は、 http://www.NetBSD.org/mirrors/ にもあります。
CD-ROM ISO イメージを使ってインストールをする利用者のみなさんには、 ISO イメージ置き場にある torrent ファイルを使い、 BitTorrent 経由でダウンロードすることをおすすめします。 BitTorrent は、配布機構のひとつとして最近追加されたものであり、 帯域を確保するために BitTorrent を使うことを強くおすすめします。
NetBSD は汎用目的のオープンソースオペレーティングシステムであり、 多数の種類のハードウェアプラットフォーム上で、 多岐にわたるアプリケーションを実行するためのインターフェースを提供しており、 これはすべて単一のソースツリーをもとにしています。 実行可能なアプリケーションは、 ソース非公開の商用アプリケーションからオープンソースソフトウェアまでにわたっており、 デスクトップ環境、データベースサーバー、防火壁、ルーター、 組み込みアプリケーション、その他さらに多種のものを網羅しています。 これらはすべて、6,300 を超えるパッケージを擁する pkgsrc (NetBSD パッケージコレクション) を使って、簡単に利用することができます。 NetBSD プロジェクトでは、その祖先であるバークレーの Networking Release 2 (Net/2), 4.4BSD-lite, 4.4BSD-Lite2 の伝統を受け継ぎ、 そのアプリケーションプラットフォームを、 広範なハードウェアプラットフォーム (年代物のハードウェアだけではなく、 MIPS, PowerPC, Super-H, ARM, Xscale の各 CPU を持った組み込みシステムや、 Intel や AMD Opteron CPU を持った近代的なデスクトップやサーバーハードウェアまで) に対応させています。 さらに最近では、NetBSD は、 Xen マシンモニターによる「仮想」ハードウェアにも移植されています。 現在では、NetBSD は 17 のまったく異なるCPUファミリーと 17 のマシンアーキテクチャーに、一つのソースツリーで対応しており、 54 の異なるシステムアーキテクチャー上で動作しています。 さらに、NetBSD システムでは、カーネル、ユーザーランドおよび X Window system をクロスコンパイルすることができます。
NetBSD 3.0.2 リリースには、53 の異なるマシン向けの完全なバイナリーリリースが 含まれているほか、 4 プラットフォーム向けのソース形式のみのリリースが含まれています。
NetBSDプロジェクトの目的についての詳しい情報は、 http://www.NetBSD.org/Goals/ の NetBSD Webサイトから得ることができます。
NetBSDはフリーです。すべてのコードは非限定的ライセンスで配布され、 誰にもロイヤルティーを払うことなく利用できます。無償のサポートサービスを、 メーリングリストやWebサイトを通じて受けることができます。 また、商用サポートには様々なものがありますが、その主なものは http://www.NetBSD.org/gallery/consultants.html から見つけることができます。
NetBSD についてのより広範囲の情報は、NetBSD のWebサイト http://www.NetBSD.org/ から入手することができます。
NetBSD は、世界中に広がる多様な開発者たちのグループによる作品です。 NetBSDの名前の中の `Net' とは、インターネットに対する感謝のしるしです。 インターネットは、私達がコミュニケーションしたり、コードを共有することを 可能にしました。 インターネットなしでは、このプロジェクト自体存在し得なかったでしょう。
変更点の完全な一覧は、 NetBSD 3.0.2 リリースツリーのトップディレクトリーにある CHANGES-3.0.2 ファイルにあります。
- カーネル
- メモリーが足りない状態でのページフォールトの処理において発生する可能性のある panic を防止しました。
- ネットワーキング
- sshd_config(5) を、標準状態では SSH バージョン 2 だけが有効になるように変更しました。
- ブロードキャストアドレスへの TCP 接続を受け入れないようにしました。
- ファイルシステム
- NFS でのファイル名変更における競合状態 (そのファイルを消してしまうおそれのある) を修正しました。
- ライブラリー
- ユーザー作成時に、副グループ用の文字列を (副グループが追加されなかった場合にゴミが含まれないようにするため) 初期化するようにしました。
- セキュリティー
- ISDN PPP インターフェース ippp(4) および pppoe(4) で共通の、カーネル内 PPP のコードのバッファーオーバーフロー (SA2006-019) を修正しました。
- X11: FreeType の整数オーバーフロー (SA2006-020) を修正しました。
- sendmail(8) の DoS 攻撃の可能性 (SA2006-017) を修正しました。
- BIND の DoS 脆弱性 (SA2006-022) を修正しました。
- openssl(1) の RSA 署名偽造 (SA2006-023) を修正しました。
- X11: Adobe Type 1 フォントの処理の脆弱性 (SA2006-021) を修正しました。
- openssl(1) の多数の DoS 脆弱性 (SA は準備中、CVE 番号は 2006-2937, 2940, 3738, 4343) を修正しました。
- sshd(8) の多数の DoS 脆弱性 (SA は準備中、CVE 番号は 2006-4924, 5051) を修正しました。
- その他いろいろ
- GCC 4.x を使ったホストでのクロス構築を修正しました。
-
amd64 特有
- panic の後、固まらずに確実にリブートするようになりました。
-
sparc 特有
- クラッシュ防止のため、sparc および sparc64 の named(8) で、スレッドが無効化されました。
-
mac68k 特有
- sysinst が、対象のファイルシステムの newfs とマウントをするようになりました。
NetBSD Foundationは、コード、ハードウェア、ドキュメンテーション、 資金、サーバーの場所、webページその他のドキュメンテーション、 リリースエンジニアリング、その他のリソースを、長年に渡って提供して くださった全ての人々に感謝します。 NetBSD を立ち上げた人々についての 詳細な情報は、http://www.NetBSD.org/people/ にあります。
私達が使っているコードの膨大なサブセットを提供してくれた カリフォルニア大学バークレー校とGNUプロジェクトには、特に感謝します。 また、サーバーを提供していただいている Internet Systems Consortium Inc. と Helsinki University of Technology にも感謝します。
NetBSD Foundation は1995年に、NetBSDプロジェクトの中核のサービスを管理し、 産業界やオープンソースコミュニティーへのプロジェクトを売り込み、 NetBSDのコードベースの知的所有権を守るために設立されました。 日々のプロジェクトの作業は、ボランティアによっておこなわれています。
NetBSD Foundation は非営利の組織で商業的背景を持たないことから、 利用者からの寄附に依存しています。 私たちのすばらしいオペレーティングシステムの製作を続けられるようにするため、 寄附をしていただくようお願いしています。
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