NetBSD 3.1 のアナウンス
NetBSDプロジェクトは、 NetBSDオペレーティングシステムのバージョン 3.1 の、 ソースおよびバイナリー両形式での公開を発表できることを喜ばしく思います。 NetBSD は汎用目的のオープンソースオペレーティングシステムであり、 多数の種類のハードウェアプラットフォーム上で、 多岐にわたるアプリケーションを実行するためのインターフェースを提供しており、 これはすべて単一のソースツリーをもとにしています。 NetBSD 3.1 には、多くのバグ修正、セキュリティーの更新、 新しいドライバー、Xen3 DomU への対応などの新機能が含まれています。
NetBSD 3.1 は NetBSD 3.0 リリース枝で最初の機能更新をともなうリリースです。 バグの修正、致命的なセキュリティー上の更新、 新しいドライバーといった小規模の新機能追加などの変更がおこなわれています。
NetBSD 3.1 の完全なソースコードおよびバイナリーは、世界中の多くのサイトから ダウンロード可能です。FTP、AnonCVS、SUPやその他のサービスによる ダウンロードサイトの一覧が、このアナウンスの最後にあります。 また、最新のダウンロードサイトの一覧は、 http://www.NetBSD.org/mirrors/ にもあります。
CD-ROM ISO イメージを使ってインストールをする利用者のみなさんには、 ISO イメージ置き場にある torrent ファイルを使い、 BitTorrent 経由でダウンロードすることをおすすめします。 BitTorrent は、配布機構のひとつとして最近追加されたものであり、 帯域を確保するために BitTorrent を使うことを強くおすすめします。
NetBSD は汎用目的のオープンソースオペレーティングシステムであり、 多数の種類のハードウェアプラットフォーム上で、 多岐にわたるアプリケーションを実行するためのインターフェースを提供しており、 これはすべて単一のソースツリーをもとにしています。 実行可能なアプリケーションは、 ソース非公開の商用アプリケーションからオープンソースソフトウェアまでにわたっており、 デスクトップ環境、データベースサーバー、防火壁、ルーター、 組み込みアプリケーション、その他さらに多種のものを網羅しています。 これらはすべて、6,300 を超えるパッケージを擁する pkgsrc (NetBSD パッケージコレクション) を使って、簡単に利用することができます。 NetBSD プロジェクトでは、その祖先であるバークレーの Networking Release 2 (Net/2), 4.4BSD-lite, 4.4BSD-Lite2 の伝統を受け継ぎ、 そのアプリケーションプラットフォームを、 広範なハードウェアプラットフォーム (年代物のハードウェアだけではなく、 MIPS, PowerPC, Super-H, ARM, Xscale の各 CPU を持った組み込みシステムや、 Intel や AMD Opteron CPU を持った近代的なデスクトップやサーバーハードウェアまで) に対応させています。 さらに最近では、NetBSD は、 Xen マシンモニターによる「仮想」ハードウェアにも移植されています。 現在では、NetBSD は 17 のまったく異なるCPUファミリーと 17 のマシンアーキテクチャーに、一つのソースツリーで対応しており、 54 の異なるシステムアーキテクチャー上で動作しています。 さらに、NetBSD システムでは、カーネル、ユーザーランドおよび X Window system をクロスコンパイルすることができます。
NetBSD 3.1 リリースには、53 の異なるマシン向けの完全なバイナリーリリースが 含まれているほか、 4 プラットフォーム向けのソース形式のみのリリースが含まれています。
NetBSDプロジェクトの目的についての詳しい情報は、 http://www.NetBSD.org/Goals/ の NetBSD Webサイトから得ることができます。
NetBSDはフリーです。すべてのコードは非限定的ライセンスで配布され、 誰にもロイヤルティーを払うことなく利用できます。無償のサポートサービスを、 メーリングリストやWebサイトを通じて受けることができます。 また、商用サポートには様々なものがありますが、その主なものは http://www.NetBSD.org/gallery/consultants.html から見つけることができます。
NetBSD についてのより広範囲の情報は、NetBSD のWebサイト http://www.NetBSD.org/ から入手することができます。
NetBSD は、世界中に広がる多様な開発者たちのグループによる作品です。 NetBSDの名前の中の `Net' とは、インターネットに対する感謝のしるしです。 インターネットは、私達がコミュニケーションしたり、コードを共有することを 可能にしました。 インターネットなしでは、このプロジェクト自体存在し得なかったでしょう。
変更点の完全な一覧は、 NetBSD 3.1 リリースツリーのトップディレクトリーにある CHANGES-3.1 ファイルにあります。
変更点を要約した一覧は、以下の通りです。
- 対応デバイス
- brgphy(4): BCM5714 および BCM5780 PHY に対応しました。
- iteide(4) が追加されました: ITE 8212 IDE コントローラーのドライバーです。
- Pentium M 710, 730, 740, 750, 760, 770 の各 CPU に対して、SpeedStep に対応しました。
- nForce430 ATA133 および SATA コントローラーに対応しました。
- pdcsata(4): Promise PDC2057x, PDC20771, PDC20775, PDC40518, PDC40718 SATA コントローラーに対応しました。
- ums(4): Apple の "Mighty Mouse" および、7 個を超えるボタンを持つ USB マウスに対応しました。
- agp(4): Intel i915 チップセット統合グラフィックスに対応しました。
- pchb(4): Intel i925X, i945G/P, i955X ハードウェア RNG に対応しました。
- ciss(4) が追加されました: 最近の HP/Compaq Smart Array RAID コントローラーで実装された Command Interface SCSI-3 Support のドライバーです。
- nfe(4) が追加されました: NVIDIA nForce MCP イーサネットのドライバーです。
- svwsata(4) が追加されました: Serverworks K2, Frodo4, Frodo8, HT-1000 SATA コントローラーのドライバーです。
- sk(4): DLink DGE-530T および DGE-560T ギガビットイーサネットアダプターに対応しました。
- bge(4): BCM5714, BCM5715, BCM5780/HT-2000, BCM5752 系のチップに対応しました。
- wi(4): Siemens SS1021 WLAN に対応しました。
- twa(4) が追加されました: 3ware Apache RAID コントローラーのドライバーです。
- viaide(4): nForce3 250 SATA コントローラーに対応しました。
- hptide(4): HPT368 IDE コントローラーに対応しました。
- ネットワーキング
- BIND で SSL が使えるようになりました。
- 二つ目の dhclient(8) を実行すると、システムが異常な状態になっていましたが、これをうまく実行できるようになりました。
- resolv.conf(5) から生成される日付を、dhclient(8) から削除しました。このファイルの変更は /etc/security で監視するからです。
- sshd_config(5) を、標準状態では SSH バージョン 2 だけが有効になるように変更しました。
- ブロードキャストアドレスへの TCP 接続を受け入れないようにしました。
- ファイルシステム
- LFS ファイルシステムの安定性を、大幅に改良しました。
- OpenBSD 由来のディスクラベル復旧用ユーティリティー scan_ffs(8) を追加しました (FFSv2 と LFS にも使えるよう修正してあります)。
- msdos ファイルシステムへの巨大ファイルの書き込み性能を改良しました。
- ブート時に /etc/rc.d/fsck が ^C で割り込まれた際、シングルユーザーモードに落ちるようにしました。
- ライブラリー
- パスワードエージングが再び機能するようになりました。
- セキュリティー
- 特殊なマルチパート MIME メッセージの処理において sendmail がサービス不能攻撃を受ける脆弱性 (SA2006-017) を修正しました。
- ISDN PPP インターフェース ippp(4) および pppoe(4) で共通の、カーネル内 PPP のコードのバッファーオーバーフロー (SA2006-019) を修正しました。
- X11: FreeType の整数オーバーフロー (SA2006-020) を修正しました。
- sendmail(8) の DoS 攻撃の可能性 (SA2006-017) を修正しました。
- BIND の DoS 脆弱性 (SA2006-022) を修正しました。
- openssl(1) の RSA 署名偽造 (SA2006-023) を修正しました。
- X11: Adobe Type 1 フォントの処理の脆弱性 (SA2006-021) を修正しました。
- openssl(1) の多数の DoS 脆弱性 (SA は準備中、CVE 番号は 2006-2937, 2940, 3738, 4343) を修正しました。
- sshd(8) の多数の DoS 脆弱性 (SA は準備中、CVE 番号は 2006-4924, 5051) を修正しました。
- その他いろいろ
-
alpha 特有
- FFSv2 ファイルシステムからのブートに対応しました。
-
amd64 特有
- panic の後、固まらずに確実にリブートするようになりました。
-
mac68k 特有
- sysinst が、対象のファイルシステムの newfs とマウントをするようになりました。
-
sparc 特有
- クラッシュ防止のため、sparc および sparc64 の named(8) で、スレッドが無効化されました。
-
xen 特有
- Xen-3 domU に対応しました。
- XEN カーネルのコンフィグファイル名を変更し、より一貫性のあるものにしました: XEN2_DOM0, XEN2_DOMU, XEN3_DOMU, INSTALL_XEN2_DOMU, INSTALL_XEN3_DOMU.
現時点で注意すべきこととして、sysinst ではあらかじめ作成された サードパーティーバイナリーパッケージや pkgsrc システム自身を インストールできません。詳しくは、NetBSD パッケージコレクションドキュメンテーションを参照してください: http://www.NetBSD.org/docs/software/packages.html
NetBSD Foundationは、コード、ハードウェア、ドキュメンテーション、 資金、サーバーの場所、webページその他のドキュメンテーション、 リリースエンジニアリング、その他のリソースを、長年に渡って提供して くださった全ての人々に感謝します。 NetBSD を立ち上げた人々についての 詳細な情報は、http://www.NetBSD.org/people/ にあります。
私達が使っているコードの膨大なサブセットを提供してくれた カリフォルニア大学バークレー校とGNUプロジェクトには、特に感謝します。 また、サーバーを提供していただいている Internet Systems Consortium Inc. と Helsinki University of Technology にも感謝します。
NetBSD Foundation は1995年に、NetBSDプロジェクトの中核のサービスを管理し、 産業界やオープンソースコミュニティーへのプロジェクトを売り込み、 NetBSDのコードベースの知的所有権を守るために設立されました。 日々のプロジェクトの作業は、ボランティアによっておこなわれています。
NetBSD Foundation は非営利の組織で商業的背景を持たないことから、 利用者からの寄附に依存しています。 私たちのすばらしいオペレーティングシステムの製作を続けられるようにするため、 寄附をしていただくようお願いしています。
寄附は PayPal を使って <paypal@NetBSD.org>
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