ハードウェアドキュメンテーション: NetBSD シリアルポート入門
NetBSD シリアルポート入門
NetBSD シリアルポート入門
全般的な情報 (トップ)
このドキュメントは、お手持ちのハードウェア附属のドキュメンテーションを 補足するものです。すなわち、一部の NetBSD 対応プラットフォームの シリアルポートへの接続に関する問題の概要を、いくつか説明します。 多くのプラットフォームでは、シリアルコンソールを使うことが必須あるいは 可能ですが、コネクター配線方法について混乱があるかもしれません。
簡単にいうと、ほとんどのコンピューターは DTE (Data Terminal Equipment - データ端末装置) 、ほとんどのモデムやダム端末は DCE (Data Communication Equipment - データ通信装置) です。 (PC を PPP サーバーや端末として使うと いったように) DTE と DTE をつなぐためには、“ヌルモデム” ケーブルでつなぐことが必要です。このケーブルは、送出と受入のデータを入れ換え、 またハンドシェーク線を持っています。
シリアルプロトコルの仕様上、さまざまなハンドシェークや、“モデム” 線が存在します。これらにより、 DTE や DCE 装置は情報の流れを調節できます (受信側がこれ以上データを受けられない場合、受けられるようになるまで待つよう 相手方に伝えるなど) 。より詳しく正確な説明については、 上記の参考文献を参照するようおすすめします。
お使いのハードウェアでシリアルコンソールを使えるようにする方法は (対応して いる場合) 、そのポートの FAQ か、ハードウェアリファレンスを参照してください。 多くのプラットフォームでは、キーボードとマウスを外すだけでよいです。 このほかでは、フレームバッファーを外す必要があったり、また、シリアルコンソール を使うよう明示的に bootrom や PROM を設定する必要があるものもあります。 もっとも一般的な設定は 9600 bps、 8 ビット、パリティーなし、ストップビット 1 です。ハンドシェークの必要な条件はプラットフォームによって異なります。
覚えておいていただきたいのは、お使いのシステムの bootROM、ファームウェア
などがシリアルコンソールをサポートしている場合、 NetBSD はそのことに気付く程度
には賢いということです。つまり、たいていは /etc/ttys
で別途 ttys(5)
を用意すべきではありません。
しかしながら、コンソールのエントリーに適切な端末型が書かれているようにするため、
ここを書き換える (たとえば、 'sun
' を 'vt100
' に変更するなど)
必要はあるかもしれません。
いくつかのプラットフォームでは、恒常的に続くゼロは、シリアル
BREAK
と等価です。たとえば sparc システムにおいては、
これはシステムに bootrom プロンプトに落ちるよう促します。お使いのシステムで
シリアルケーブルを外すとシステムが応答しなくなる場合は、このことを
覚えておいてください。
コネクターの種類とピン配置 (トップ)
3 種類の主なコネクタータイプ─ DB25、 DB9、 MiniDIN8 ─があります。 ピンの付番は、つぎのようにするならわしです (メスのコネクターでは逆になります):
MiniDIN8 (オス)
8 7 6 5 4 3 2 1
DB25 (オス)
1 13 _______________________________ \ . . . . . . . . . . . . . / \ . . . . . . . . . . . . / --------------------------- 14 25
DB9 (オス)
1 5 _______________ \ . . . . . / \ . . . . / ----------- 6 9
RJ-11 (オス)
_!=!_ | | | | ------- 1 2 3 4
さまざまなプラットフォーム用のシリアルポートピン配置 (トップ)
残念ながら、すべてのベンダーがシリアル線のピン番号の標準に従っているわけでは ありません。特に、 MiniDIN8 コネクターを使っているベンダーは、すべて 変えてしまっています。もし、ハンドシェーク線を使わないのであれば、 すべての MiniDIN8 ケーブルは、どのシステムでも機能するはずです (すなわち、 TxD、 RxD、 GND はすべて同じ位置にあります) 。一部のベンダーは、 (DTR、 DSR、 DCD シグナリングを考慮して) これらを違った形で結線するので、 Macintosh “モデム”ケーブルには気を付けてください -- いかなる仮定もせずに、 マルチメーターを使って結線をチェックすべきです。
signal name | standard DB9 | standard DB25 | mac MiniDIN8 | next68k MiniDIN8 | sgi MiniDIN8 | sparc MiniDIN8 | hp300 DB9 | dir | full name | comment |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
TxD | 3 | 2 | 3 | 3 | 3 | 3 | 2 | out | Transmit Data | data |
RxD | 2 | 3 | 5 | 5 | 5 | 5 | 3 | in | Receive Data | data |
RTS | 7 | 4 | - | 6 | 6 | 6 | 4 | out | Request To Send | handshake |
CTS | 8 | 5 | - | 8 | 2 | 2 | 5 | in | Clear To Send | handshake |
DTR | 4 | 20 | - | 1 | 1 | 1 | 1 | out | Data Terminal Ready | status |
DSR | 6 | 6 | - | - | - | - | 6 | in | Data Set Ready | status |
RI | 9 | 22 | - | - | - | - | 9 | in | Ring Indicator | status |
DCD | 1 | 8 | - | 2 | 7 | 7 | 8 | in | Data Carrier Detect | status |
RTxC | - | 17 | - | 7 | - | 8 | - | in | Receive Clock | |
HSKo | - | - | 1 | - | - | - | - | out | Output Handshake | mac-specific (usually RTS) |
HSKi | - | - | 2 | - | - | - | - | in | Input Handshake | mac-specific (usually CTS) |
TxD+ | - | - | 6 | - | - | - | - | out | RS-422 Transmit Data (+) | |
RxD+ | - | - | 8 | - | - | - | - | in | RS-422 Receive Data (+) | |
GPi | - | - | 7 | - | - | - | - | in | General Purpose Input may be used for RI or handshaking | |
GND | 5 | 7 | 4 | 4 | 4,8 | 4 | 7 | n/a | Signal Ground | |
- | - | 1 | - | - | - | - | - | n/a | Protective Ground | cable shield (do not use for Signal Ground) |
注意: Macintosh (mac68k および macppc) システムは、 送信および受信用に平衡型の対 (正と負の線) を持つ RS-422 プロトコルを使います。 平衡型の RS-422 線をシングルエンドの RS-232 線と繋ぐには、正の受信データ線 (RxD+) を ground 信号に繋ぎ、負の送信データ線 (TxD+) はどこにも繋がないようにします。 HSKo と HSKi の結線方法はアプリケーションに依存しますが、普通は HSKo は RTS として、 HSKi は CTS として使われます。また、一部のケーブルメーカーでは DCD、 DTR、 DSR シグナルを様々に MiniDIN8 線に割り当てています。 詳細については、Interfacing a Mac Serial Port to RS-232 Lab Equipment を参照してください。 初代の Mac 128k や 512k の機種の DB9 コネクターのピン配置は標準と異なりますので、 大昔の Apple のケーブルには注意してください。
注意: 通常の sparc システムはシリアルに DB25 コネクター を使っていますが、一部の sparc システムは MiniDIN8 コネクターを使っています。 この MiniDIN8 ピン配置は上記リストに掲げたとおりです。また、 DB25 ベースの システムの一部では、 2 個のシリアルポートをサポートするブレークアウトケーブル (A/B) を持っています。このケーブルのピン配置については FAQ を参照してください (1 個めのシリアル線は標準的な DB25 の配置となっています─つまり、 アダプターは不要です) 。
注意: next68k システムはすべて、 2 個の MiniDIN8 シリアルポートを持っています。 NEXTSTEP システム管理者マニュアルには、 NeXT システム向けのシリアルケーブルの例がいくつか載っています。 詳細は、 オンラインバージョンか、 Radical System Solutions: NeXT Serial / Modem Cables を参照してください。
注意: hp300 システムのうち 98562 システムインターフェースボードを使っているものはすべて、 DB9 ピン配置が標準と異なります。この配置は、上のリストに掲げたとおりです。 シリーズ 400 の機種はすべて、 3 個のシリアルポートをサポートする ブレークアウトケーブルを持っています。このケーブルのピン配置については FAQ を参照してください (1 個めのシリアル線は標準的な DB25 の配置となっています─つまり、アダプターは不要です) 。 さらに、 948642A カードは RJ-11 ジャックを使う 4 個のシリアルポートをサポートしています。 これら以外のユーザーはすべて、標準的な DB9 か DB25 コネクターを使うことになります。
モデム信号を通す通常のケーブル (トップ)
ヌルモデム DB25 to DB25 ケーブル
DB25 DB25 ---- ---- 1 GND --------------- 1 GND 2 TxD --------------- 3 RxD 3 RxD --------------- 2 TxD 4 RTS --------------- 5 CTS 5 CTS --------------- 4 RTS 7 GND --------------- 7 GND 6 DSR ---+ +----------- 20 DTR 8 DCD ---+ +---- 6 DSR 20 DTR ----------+ +---- 8 DCD
ヌルモデム DB25 to DB9
DB25 DB9 ---- --- 1 GND --- 1 GND 2 TxD --- 2 RxD 3 RxD --- 3 TxD 4 RTS --- 8 CTS 5 CTS --- 7 RTS 7 GND --- 5 GND 6 DSR --- 4 DTR 20 DTR --- 6 DSR
モデム MiniDIN8 to DB25 (Macintosh、 非ヌルモデム)
RxD+ は ground に短絡され、 TxD+ と GPi は宙に浮いていることに注意。 RxD+ は、 MiniDIN8 側ではなく、できるかぎり DB25 の近くで短絡させるべきです。 もし可能なら、 RxD+ と RxD- はツイストペアーにしてください。
MiniDIN8 DB25 -------- ---- 1 HSKo ----------- 4 RTS 2 HSKi ----------- 5 CTS 3 TxD- ----------- 2 TxD 5 RxD- ----------- 3 RxD 4 GND ---+ +------- 7 GND 8 RxD+ ---+ 6 TxD+ ---x 7 GPi ---x
ヌルモデム MiniDIN8 to MiniDIN8 (Macintosh "プリンター" ケーブル)
MiniDIN8 MiniDIN8 -------- -------- 1 HSKo --- 2 HSKi 2 HSKi --- 1 HSKo 3 TxD- --- 5 RxD- 4 GND --- 4 GND 5 RxD- --- 3 TxD- 6 TxD+ --- 8 RxD+ 7 GPi --- 7 GPi 8 RxD+ --- 6 TxD+
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